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歯科衛生士不足

歯科衛生士不足を補うために、歯科医院がまず初めに対処するのが賃上げによる再募集です。

 

しかし、歯科衛生士を募集しても来ない→給料を挙げて再募集→それでも来ない、という図式は崩れません。

 

私の歯科医院でも、以前給料を上げて再募集をしたことがあります。まず相場より1割給料上げて募集。音沙汰なし。次にもう1割上げて...というように、最終的には8割増まで上げた時点で何だか恐くなってあきらめました。(結局元に戻してしばらくしたら募集者が来ました)

 

京都府歯科医師会の京歯月報(平成22年3月号)に興味深い資料があります。

 

歯科衛生士の転職・退職した理由の1位は結婚(40.5%)、2位は出産(29.4%)、3位院長との人間関係(24.3%)ですが、給料に関しては、8位と(13%未満)下位です。ここから歯科衛生士が医療機関に求めるものは、高給よりも個人・家庭の環境を重視し、院長との良質な人間関係を求めるものが多いのがわかります。そう、歯科衛生士の多くは、「金」では動かないのです。

 

また、京都府歯科医師会の資料はさらに注目するところがあります。

 

先ほどの歯科衛生士会の行った歯科衛生士として就業している割合は84.8%であるのに対し、京都府歯科医師会の統計では66.8%となっています。その差は18%。無視できない値です。この差はサンプルになった母体の背景の違いが起因していると推測できます。

 

歯科衛生士会の母集団は歯科衛生士会の者であり、この団体自体の特性として、歯科衛生士業界のインセンティブを上げる役割を担っています。会員は現役の者が多く(休職中で就業見込みがない者は退会している可能性が高い)、就業率は高くなると予想できます。

 

対して、京都府歯科医師会の資料はある特定団体ではなく、地域に基づいた統計をとっています。

 

多くの歯科衛生士は各地域に根ざした勤務地を選びます。この統計は地域密着型である歯科衛生士の実態を反映していると言えます。

 

そして、この京都府歯科医師会の就業率から換算すると、一医療機関あたりの歯科衛生士数は1.01人となります。

 

その就業者のうち、およそ40%が非常勤となっており、これを常勤の労働力の半分と仮定すると一医療機関あたりの歯科衛生士数は0.81人となります。

 

さらに勤務先分布としては「診療所」が50.2%(行政17.6%、病院、大学病院12.2%、歯科衛生士教育養成機関4.7% 日本歯科衛生士会)となっており、最終的な開業医の実質歯科衛生士数は0.4人と推測できます。0.4人は前述した私の感覚とだいぶ近くなり、うなずける値です。

 

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